おやじ三人高速600キロ後編

polnareff2007-01-31

 1月31日午前11時にチェックアウト。ヴァーミリオン・サンズ選抜トリオ(以下、VSトリオ)に射す冬の陽は、二人だけに黄色の澱みで応え、もう一人には暖かな陽だまりで迎えた。そう、鋼鉄の精神力で一秒たりともAV外泊密室鑑賞地獄に心揺るがなかったひとりの益荒男、それはぼくである。何と爽やかな青年であろうか。そんな関西加齢臭一行であるが、約束までにはあり余る時間を如何にと、ビールのプルリングを引くよりも、モノはついでとくわえ煙草でカッポカポ、次回会場のリキッドルームに無意味に赴き、壁を仰ぎ見れば、下品にも「ジャズ/オルタナティヴ」だとよ。ふざけるんじゃねえよ。こっちは「ヘイト/グロテスク」で、おつむの程度を合わしてやるぜと、見えない敵に発奮し始めるぼくの手を引き、昼食でもと岩ノリラーメンとエスプレッソで満腹し、溜飲を下げる。さてさてようやく午後1時、再びエイベックス本社へ。本日は老舗「ドール」から修行が始まる。昨日のバラード問題をモヤモヤとクリアし、「果たしてダブとは何ぞや」問題も好調にキメて着地したように見せる。リトアニアのパンクシーンに思いを馳せる間も無く、ビル屋上にての写真撮影アリのファッション誌「サムライマガジン」にては、若者達へのメッセージをと望まれながら、チャリンコジグザグ立ち漕ぎコメントで迷走のダメっぷりを召喚だ。「9人揃えばコウモリの影」でオトすなんて! そして「リミックス」は野田努氏の丁々発止にVSトリオは容疑者の如く汗をかきつつ必死の攻防に塹壕掘りを覚悟する。しかしこの取材が最も豊かな内容だったかも知れない。TGのロンドンギグ(写真はすっかり女性へ転換したジェネシス・P・オリッジ)での音響兵器実験のフリを受け、「常に違和や雑音の象徴でありたい」というぼくの思いだけで乗り切るもやはり寸足らずの印象。更には「コアを9つの側面から照射」との成立の歪さを強調したが如何なものか。バンドを3つのキーワードで語るシメで連鎖自爆の刑を受ける。オカルトは問題外のNGだってギャフーン。ラストは既に青木優氏のレビューがウレシー「TVブロス」には、ようやくトータル的な答えが出来るようになったおじさん達は、音楽性をサッカーに例えて語る。アンサンブルの秘密をゴールシュートから解き、反則ギリギリのボールキープ技に楽曲の発生と成立を解く我らの脳ミソはスッカリ沸き上がっていたのかも知れない。「マイクの前でヨダレしか出ない時がある」とのお茶目には「それじゃダメじゃないですか」と至極真っ当なお言葉を頂き、ぼくは撃沈しつつ、18時に終了、すわ大阪へ高速で戻ってリハーサルなのだ。それよりビールだ。都会の摩天楼は奇妙なオブジェ。そんな折、担当のムラカミ氏がアメリカ・デトロイトでの修行時代、スキンズのバンドを率いていた過去が、イイ湯加減の風呂場の鼻歌の壺から生まれ出づる。名称「デスキンズ」に因んでダスキンとの無謀な提携を目論み(騙り)、ギターノイズの渦から美しい旋律が印象的に響き、涙を誘う。つまりは丁寧に頭を下げるピクシーズの如きサウンドだと。キャッチコピーは「お前のホコリを失うな」とのことで、ダブ界の寺田ヒロオこと沸き上がりおじさんの妄想が延々と新大阪駅まで。そしてJR大正駅前の王将へ。本日のハイライトは新幹線車中に於けるぼくのモノローグより「コンブでノリノリ前川ノリ屋もカワイソー(海草)」「溺死ピエロを傀儡に使う、その名はイット企業」「竹谷翁は1941年、戦前の生まれ」「ルチオフルチン」「マジでコイちゃう5秒前」など、バカも息切れにてエレクチオン
INDUSTRIAL RECORDS 25th ANNIVERSARY RADIO May.26.2005 01/06