レゲエ二選

polnareff2007-02-01

 昨夜突然にレゲエ2選をと依頼され、早朝よりカセットテープの山より選ぶ。ボブ・マーリーWho Colt The Game」とダブヴァージョンにシビれ、ジュディ・モアット「ブラック・ウーマン」に情感を揺さぶられる。でもボブ・マーリーは、『おれの家には屋根がある』と歌う「Is This Love」が好きだったりするナンパモンでもある。さてマトゥンビ関係やら「亜無亜危異都市」が見つからず、リー・ペリーの拳銃ダブも見つからぬ。セルジュ・ゲンズブール「星からの悪い知らせ」もファミリー・フォダー「モンキー・バナナ・キッチン」もイイが、けれどもやはりコレだ。豊田勇造の傑作、「血を越えて愛し合えたら」だ。1980年、現地のミュージシャンをバックに従え、正に血で録り下ろした魂のキングストン実況盤である。森永博志のサウンドストリートで紹介された本作にガツンとイカれ、翌日早速に32番街のダイガで購入した憶えがある。ぼくが高校一年の時だ。「殺そうと思うだけで良かったのに」のタイトルにもヤラれたが、バックを務めたミュージシャンらも大きく戸惑ったと言われる「台湾」が圧巻である。この詩の凄みにぼくは改めて敬意を表する。変則レゲエを波濤の様にメディアの牢獄たるものを直截的に歌うこの曲に今朝は戦慄しきりであった。こんな詩である。「見ると聞くとは大違い/旅行案内信じるな/女買うだけが望みなら/この歌には用はない/二人組のポリ公、ヤクザみたいに/イチャモン付けようとうろつき廻る/宿は朝まで南京虫/食い物まずく俺には高い/俺の牢獄がギターだとしたら/あの人らの牢獄は台湾だ/ここは台北、南の島」