コヤニスカッティ・エコーズ②

polnareff2006-03-23

「虚無王通信 六」
 陥穽を仕掛ける罪びとを憎む。偽りを伝える欲情の鳥を憎む。蹂躙の夜。我が国ではデモクラシーとはデマゴーグを意味する。そしてそれは裏切りや不幸の礎でもある。淫らの民の、その息使いだけが聞こえる。二枚舌に我を忘れてはしたない獣と交わり、狩人と幾度も飽きるまで交わる。蹂躙の夜を待ちわびて、誰もが誰かを呪っている。漆緑の闇で鼓膜に水銀を流し込まれて、だんまりの砂漠で盲人は今が夜であるを知る。音のない世界に鳴り響く音、コヤニスカッティ・エコーズ。イメージ案の一。
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