慧明のルシファー

polnareff2005-10-02

「美人数珠つなぎ②」

天才子役斉藤浩子は、ぼくがまだほっぺの赤い小学校児童の頃、最も心ときめかせた五つ年上のおねえさんだ。「超人バロム1」や「フルーツケンちゃん」などにゲスト出演する彼女に密かにメロメロだったぼくが、本格的にペロペロになってしまったのは1974年「猿の軍団」でほぼ主役で出演するようになってからである。十四歳になった彼女の活躍に毎週、胸躍らせワクワクし、ピンチに手の汗を握ってハラハラしていたぼくの心は、おそらく汚れのない天使のようであったに違いない。その後、十八歳になった彼女はNHK少年ドラマシリーズ「その町を消せ」にレギュラー出演し、全国の優等生男子のアイドルとして人気を博すのだが、けれどもいつの間にやら浮世の垢が染み付き始めたぼくには、彼女なんか今やどうでもよくなってしまっていた。男ってホントに身勝手ね。その頃のぼくはデパートの化粧品売場に行っては真っ赤な顔でドキドキしてるような、すっかりヘンな少年になっていたのであるが。(続く)
人間狩り
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