ロッキー・エリクソンを聴く

polnareff2005-07-31

昨夜、偶然に話題に出たロッキー・エリクソンのファーストアルバム「Evil One」を聴く。このアルバムは、僕が20歳の時に山崎春美氏からプレゼントされたものだ。当時13フロアーやゴッズなどの狂人サイケを聴き漁っていた僕が、ロッキー・エリクソンやジム・マッカーシー(ゴッズのリーダー)のソロアルバムから受けた衝撃と影響は計り知れない。
13フロアー・エレヴェイターズ時代のヘロインとエンジェルダストによる宇宙の羊水から一転、精神病院と刑務所を往還する十数年を経た後、自らのバンドにエイリアンズと名付け、1980年にリリースされた本作は、全曲が矢追純一大陸書房か、世界の怪奇ミステリーをテーマにしたハードロックで占められており、パンクもニューウェーブも、勿論ノーウェーブなどのかけらも皆無に時代錯誤の極致でありながら、なおも何故に心揺さぶられるのか。それを負のオーラに輝きを見出す屈折によって受信される宇宙電波と言うには余りにも陳腐であろう。激しい思い込みと他者から言われる類のものであるのもしかり、音楽性や時代性を無視しているとのそしりも予期出来ようが、しかし音楽に存在する狂った魂の見極めと言えよう超越的な感動こそが、まさしくこれなのである。
Roky Erickson/Two Headed Dog