南極の印象/Impression of S

polnareff2005-09-27

「虚無王通信 四」

「そっち派か?」と訊ねられてもどっち派とも答え難く、面倒なので「ああ、そっち派やそっち派や」と言い捨てておくと、すっかりそっち派扱いにされてしまい、こっち派なぞ存外の印象になり、一体こっちとそっちとは何なのかと改めて問うても今や手遅れの状態なり。つまり第一印象の「そっち派」より以前、既に決定付けられていた人格であるを知る。革命の本質は、この辺りに潜んでいる。Blind Woman Curse/怪談昇り竜

「キャッシーのものしり館①」

    • 穴の牙:土屋隆夫の同名連作に登場する「日常に潜む陥穽」。読む者に神の視点を与え、つまりそれ自体で陥穽を示す仕掛けになっている。本作は1978年に鈴木清順監督がテレビドラマ化、藤田まこと原田芳雄主演のシュールな怨霊復讐劇は今やカルト。口から弾丸飛び出す!
    • イルカ兄さん(先輩):アメリカ軍のイルカは毒矢を放つらしい。ソルマニアのイルカ先輩はツアーで暴言を放ちまくるらしい。(©KTM)
    • 近松千鶴夫:鮎川哲也の処女作「黒いトランク」でのキーパーソンとなる麻薬密売人。鬼貫警部とは、大学時代に彼の妻由美子を巡っての因縁がある。金が無くなれば暴力、麻薬が切れると暴力の臆病者振りは誰かさんと酷似していると言えよう。いや言わんといて。
    • ドリカム(Dreams Come True):「夢がかなう」をグループ名にした「突然、炎のごとく」実践派だが、偽善のレッテルを剥がす為に要した悲劇は一転、はじき出された男の哀れとして覚醒剤使用によって逮捕という顚末。それは業腹知った流転の人生の入り口であったが。
      • [同義語]タッチ:バイアグラ常用者のこと。
      • [用法]「タッちゃんの下はカチカチ、南の下は大水、これなーんだ?」
    • 楢雄(Narao):織田作之助の名作「六白金星」に登場する革命を人格化したような無垢なる魂。将棋の駒の形に削った下駄を履き「デカダンでいくで」とは、まさしく革命者の姿に映る。何をさせても不器用で眉が薄くのっぺり顔と聞けば、誰のことか察しがつくであろう。いやつかんといて。
    • マオー:きれいなおねいさんをふと見かけた時に、思わず口をついて出る歓びの言葉。大地真央のことでもある。
    • もっこり紳士:「もっこりアンテナ」だの「哀愁のもっこり体操」だの「あなただけのもっこりおじさん、とでも名乗っておきましょうか」などと頭が沸いているとしか思えない台詞が連発のアニメ「シティハンター(再)」にいつも心ざわめく。

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