日がな中空を眺めて暮らしているのだ

テレビで映画鑑賞。反町隆史主演の映画版「GTO」は、真夏の道東を舞台に唯々爽快な映画。観光バブルは弾け、鉄路の際は大麻だらけの、住民の主従関係が明確な、小さな田舎町のほころびをストレンジャーが解決するという例のよくあるストーリーだが、僕は大好き。マドンナ役の藤原紀香が丸々太り過ぎ。幻のミステリー作家、天藤真の同名小説を映画化した岡本喜八大誘拐」は、紀州の山林王である老婆を誘拐したチンピラトリオが巻き込まれる破格の顚末の、様々に見事なフィニッシュを決める傑作。日本社会のカリカチュア具合が絶妙。昨年のカンヌ映画祭で赤絨毯を踏んで、更に惨めな木村拓哉を尻目に主演男優賞を獲った「誰も知らない」、余りにも哀しく無残な映画。よく言われたように、主演の少年がスクリーンから見つめる瞳の何と饒舌なことか。現代の「それから(夏目漱石ね)」を感じた。紛れも無い傑作。漫画精読。「人造人間キカイダー」全6巻。障害者や貧乏人への差別意識、善悪の認識を人間に非ざるロボットが人間との深い溝にて苦悩する石森章太郎ピノキオ。ラストは悲惨。