君の目は節穴である

ティム・バックリーと引いて、ジェフ・バックリーの父親と語る愚かさよ。それは31歳で事故死した息子を語るに、28歳で夭逝した父親に因縁付ける愚かさである。またそれは息子ジェフの音楽を声の存在感や孤独なる魂を引き合いに賞賛する愚かさでもある。これら心なき人々によるまやかしを悪徳と呼ばずして何を呼ぼうか。父親の乱丁コピーに過ぎぬ低俗を腐飾を以って美徳と呼ばせるものは、人々の無自覚に因む野蛮と無知である。ティム・バックリーの音楽の孕む巨大なる地獄と無垢を知る者にとって、その跋扈を許せよう筈も無い。再び言おう。王は必ずしも裸ではないのだ。そして如何にして盲人は夜の闇を知るのか、それを考えなければならない。
Hear Nothing,See Nothing,Say Nothing.49