気狂いエロエロ

polnareff2005-02-02

あんた、昼下がりに部屋を暗闇に、大音響で音楽を聴く二人の中年男をどう思う?正午辺りより、立ち飲み屋でメートル上げて泥酔の僕らであったが、暗闇と咆哮する音楽に耐え切れず部屋を飛び出せば、塚口は今や宵闇せまり、通勤電車でクダを巻く帰途、ティッシュ配りのおねいさんに向かってニッコリしながら投げキッスすれど、彼女の微笑みは果たして、続きは週末、此れまさに廃日なり。
乱読の日々、黒崎緑「闇のギニョール」は集合住宅の悲惨物語ながら不発、増田みず子の短編集「自殺志願」の方が果てしなく薄暗く、更に恐ろしい。佐野洋の年度別ベスト短編集「こわい伝言」より、三好徹の短編集「犯罪ストリート」が良いが、しかしそれよりも小沢信男編集のアンソロジー「犯罪百話昭和篇」が面白い。阿部定花柳幻舟、吉村平吉、吉展ちゃん事件の犯人など全百話であるが、白眉はかい人21面相テロリズムと都市の秘密通路、そして逆賊の血筋と反ユダヤ主義は、彼らの声明文に記された「軽殺庁」「子餓犬警」など悪意誤字と関西訛のひらがな体の挑発によって完全に塗りつぶされてしまっている。これこそが民主主義の本質であり、正体である。